個人タクシーのドライバーの上限年齢について、国土交通省は今月、過疎地等に限って80歳まで引き上げる方針を示した。通達を改正し、10月から実施するという。現状では、個人タクシーは人口30万人以上の都市でのみ事業が許可されており、ドライバーの上限年齢については、開業は「65歳未満」、更新は「75歳未満」とされているが、地方でのタクシー不足解消のために、約20年ぶりにいずれも「80歳未満」まで引き上げるというものである。 一般の高齢ドライバーについては、交通事故への懸念から、全国の警察や自治体が連携して免許の自主返納促進に取り組んでいる最中であり、運転・輸送を業とする個人タクシーでこれに逆行した措置を取ることには、マスコミ等で批判が呈されているのも当然だろう。 国交省がこのような改正案を示した背景には、地方のタクシー不足がある。これまでにも地方では人口減少や高齢化などによって、タクシー会社が廃業