アセットクラスとしての森林(Timberland)が欧米の機関投資家の注目を集めている 。米国における投資家による森林への投資残高は、2005年時点で180億ドル(約2.1兆円)に達すると推計される。 森林投資への注目は、大学基金など先進的な機関投資家が進める徹底した分散投資戦略、不動産ポートフォリオの多様化、インフレ懸念に対応する実物資産保有の拡大などを背景にしている。 森林資源が持つ独特な投資サイクルとリスク・リターン特性は、機関投資家の分散投資ニーズに適しているが、流動性やアクセスの問題から、専門的なスキルを有するマネージャーの運用するファンドなどを通じて投資することが一般的である。 日本の投資家の場合、コア不動産すらも政策ポートフォリオに位置づけていない機関が数多くあり、一気に米国の機関投資家と同じ状況に進む可能性は高くないように思われるが、徹底的な分散投資、低流動性資産・実物資産