経産省が対策に乗り出す「怪現象」、地熱発電の出力が下がってしまう:自然エネルギー(1/3 ページ) 地熱発電は安定した出力が取り出せるという意味で、再生可能エネルギーの優等生のはずだ。ところが出力が変動してしまう。それも下がる方向への変動だ。これを抑える技術を5年間で開発する。 経済産業省が、地熱発電の技術開発が不十分であることを認めた。技術開発が必要なのは建設後、運用に入った地熱発電だ。2013年10月に発表した資料では「我が国の地熱発電所では、必要な量の蒸気・熱水を安定的に採取できず、発電出力が変動しているケースが見られます」という抑えた表現にとどまっているが、実際には違う。 国内20カ所の地熱発電所のうち、発電機当たりの出力が最も大きいのは東北電力の柳津西山地熱発電所(福島県柳津町、図1)だ。1995年に運用を開始し、認可出力は6万5000kW。 ところが、「出力が2万5000kWま
柳津西山地熱発電所(やないづにしやまちねつはつでんしょ)は、福島県河沼郡柳津町黒沢にある東北電力の無人地熱発電所。奥会津地熱株式会社が管理を担任している。 1995年(平成7年)5月運転開始。単一ユニットとしては日本の地熱発電所で最大の出力65,000 kWを誇る。最大で約10万世帯の一般家庭が消費する電力を賄うことができる。2017年(平成29年)8月に出力が30,000 kWに変更された。発電所は無人だが、PR館[1](12月末から3月末までは休館)が併設されている他、予約をすれば発電所の見学も可能である。雪深い会津地方に所在するため、12月末から3月末までの期間はPR館が休館するが、発電所は無人で運転し続ける。発電所は、必要に応じて秋田火力発電所から遠隔操作されている。 発電のほか、発電の際に地中から噴出する硫化水素等を回収するプラントをもち、回収物を肥料や火薬の原料として内外の企業
日本政府は地熱発電の技術開発に十分な力を入れてこなかった。このため、国内では新規開発能力が必ずしも高くない。九州電力と伊藤忠商事が参画するインドネシアのプロジェクトは技術水準維持のためにも役立つ。 地熱発電は立地こそ選ぶものの、天候などに左右されない再生可能エネルギーの優等生だ。24時間365日連続して利用でき、出力変動が少ない。このため、現在、原子力発電や石炭火力発電が担っている電力のベース供給力に向いている。国内でも九州電力の八丁原発電所(出力11万2000kW)をはじめ、17カ所で運転中だ。 しかし成長著しい太陽光発電や風力発電とは異なり、10年以上、国内では地熱発電の設備容量がほとんど増えていない。これでは技術水準の維持にも支障を来す。 九州電力と伊藤忠商事は海外の2社と協同でインドネシアに出力約33万kW(約11万kWを3基)の地熱発電所を建設する(図1)。2014年に着工し、2
inside 産業界・企業を取り巻くニュースの深層を掘り下げて独自取材。『週刊ダイヤモンド』の機動力を活かした的確でホットな情報が満載。 バックナンバー一覧 自然エネルギー活用の切り札とされている地熱発電の開発が大きく前進しそうだ。 環境省が3月末に各都道府県に通知した国立・国定公園内の地熱開発の規制緩和案によると、場所によっては発電所の設置や地熱貯留槽への「垂直掘削」を認める画期的な内容となっていたからだ。 実は2月時点では違った姿だった。専門家による検討会で政府が示したのは、公園外から斜めに掘る「傾斜掘削」だけを認める案だったのだ。 国立公園には、自然公園の核心部から順番に、特別保護地区と第1~3種特別地域と呼ばれる区域が設定されており、今回の規制緩和の対象は第2、3種特別地域。垂直掘削は真下の熱源に井戸を掘るため、技術的にも難しい傾斜掘削に比べてコストを抑制できるのが特徴だ。日本は世
今、ケニアは地熱に沸いている。 2011年11月7日、首都ナイロビにある高級ホテルで、ケニア電力公社(KenGen)が進める地熱発電所の新規プロジェクトの調印式が行われた。受注したのは豊田通商と韓国・現代エンジニアリングのチームでタービンや発電機などの主要機器は東芝が納入する。ナイロビの北西約120キロメートルに位置するオルカリア地域に、発電容量14万キロワットの地熱発電所を2か所建設する計画だ。工費は3000億円で2014年4月の完成を目指す。 ケニアは現在、総発電容量の12%に当たる16万キロワットを地熱によって発電している。今回の新規プロジェクトで一挙に3倍近い発電量になるが、さらにケニア電力公社は2030年までに30倍以上の500万キロワットまで引き上げる。これは現在のケニアの総発電容量の約4倍になる。日本の原子力発電所、55基の総発電容量と比較すると約10分の1程度だ。 ケニア電
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