公共と競争は対立軸でとらえらることが多い。通信、保育などはその代表例だろう。 通信は1984年に日本電信電話公社が民営化し、NTTが誕生した。それまで独占事業だった大きな理由は公共性だ。公共性の高い通信インフラを維持することが必要だった。同じようなことが保育事業にも言える。民間企業は撤退のリスクがあるなどの理由で、株式会社の参入を認めていない自治体もある。 だが、公共と競争は決して対立するものではないことを示す事例がいくつも現れてきた。2006年から携帯電話事業に参入したソフトバンク。孫正義社長は公共性の1つである通信ネットワークの改善を訴え続けてきた。客観的なデータが少ないため、他社より優れているかはわからないが、少なくも他社にそん色がなくなってきたのは確かだ。 保育事業でも事例がある。民間保育最大手のJPホールディングスは保育所の数を増やしている。既に100カ所ほどを運営し、2013年