阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」 2015年1月28日 [reuters]中国鉄鋼メーカー「淘汰」の断頭台 2015年最初のこのコラムである。すでに1月下旬ではあるが、今年がどんな年になるのかを予感させる話題を紹介したい。震源地は中国だ。 新年早々、中国鉄鋼業界に激震が走った。今年元日に施行された新環境保護法がそれである。排水・排ガスが定められた環境基準をクリアできなかった場合、日割り計算により、上限なしの罰金が課されるうえ、刑事責任も問われるという内容だ。 日本ではこの新法施行についてほとんど報じられていないが、中国の鉄鋼各社は「史上最も厳しい法律」と戦々恐々だ。実はこの新法は環境保護を目的にしたものというよりも、プレーヤーの数が多過ぎる鉄鋼メーカーを中国政府が強制的に淘汰するための断頭台としての色彩が濃厚だからだ。 中国ではすべての省に高炉があり、世界の粗鋼生産に占める中国の