満員電車の通勤や集団行動が苦手という理由で、フリーランスを貫き「その日暮らしのような生き方をしてきた」桃子さんと、東京で会社勤めだった聖さん。資本主義の社会システムになるべく依存しない生き方を模索するため、田舎への移住を決意。小学生のお子さんがいて、かつクリスチャンであるがゆえ、小学校と教会があることを条件に移住先を探した。仕事は農業をするとは決めていたが、何を育てるかはまったくの白紙。まったくゼロからのスタートだった。移住先と農業のリサーチを同時並行で開始した。 リサーチの過程で、たまたま訪れた豊島に心を奪われた聖さん。「なんにもない!いい島!」と感じたそうだ。目立った商業施設は何もなく、吉野夫妻が理想とした離島らしい風情があり、移住の条件である小学校と教会があった。さらに、豊島は農業とクリスチャンの両方に縁の深い「農民福音学校」にまつわる歴史でも知られる場所でもあった。日本最大規模の生