安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で、歴史認識問題で論点の一つになっている東京裁判の評価について「歴史家に任せたい」との答弁を繰り返した。かつては裁判の正当性に疑義を唱えた経緯もあるが、本音を口にすれば、昨年12月の靖国神社参拝に「失望」を表明した米政府を一段と刺激しかねないと判断し「封印」を決め込んだ。ただ首相にとっては、我慢の答弁に徹しすぎると足元の保守層が離反しかねないとの懸念がある。 「裁判には合法性がない。被告人は法的根拠のない罪状で裁かれた。(裁判は正当だとする)価値判断からそろそろ脱出すべき時期だ」。保守派論客として知られる日本維新の会の石原慎太郎共同代表が、同じく保守の看板を掲げる首相に対して「決断」を促した。 だが、首相は「被告人が『平和に対する罪』などを犯したとして有罪判決を受けたのは事実。そしてわが国は ジャッジメント(判決) を受諾している」と受け流し、注目の「保