今年初め本欄に書いたことをもう一度書く。和菓子の赤福の製造日偽装への批判がマスコミを連日にぎわす陰で口を拭(ぬぐ)っている輩がいるからだ。 昨二〇〇六年、社団法人日本新聞協会の公共広告が新聞各紙に繰り返し掲載された。「賢い主婦はスーパーで手前に並んでいる古い牛乳を買う」という一ページ大のキャンペーン広告だ。それによれば、客が製造日の新しい牛乳を選んで買うと古い牛乳は売れ残って廃棄処分になる。それ故、ものを大切にする賢い主婦なら手前に並んでいる古い牛乳を買うべきだ、というものだ。 なんという悪質な恫喝(どうかつ)広告だろう。普通、「賢い主婦はスーパーで奥に並んでいる新しい牛乳を買う」。飲み残して期限を過ぎた牛乳を廃棄処分にしたくないからである。この広告では、家計上手の賢い主婦を資源浪費のバカ女扱いにし、企業の都合に乗せられる無考えの主婦を賢婦人扱いだ。 この広告は、年末に新聞広告クリエーティ