Brandon Carter 「巨大数の一致と宇宙論における人間原理」(2) - わが忘れなばの続きです。 第四章 強い人間原理による予測 1961年の議論で Dicke が言及しなかった別の a priori に可能なことがある。即ち、もし宇宙が閉じていれば、現在の年齢 t は、既にほとんど全生涯 と等しいかもしれないというものだ。まったく一般的に、(3)の下では、明らかに、 、 (5) が成り立たなくてはいけない。後者の場合、つまり、ケタが等しいという意味で、等号が成り立つ場合、(4)はもはや成立せず、(2)の代わりに別の一致 を得ることになる。観測によって検証されない(たとえ有限であったとしても、 は(5)によって得られる程度の小ささということはありそうもない)ということを別にしても、この後者の可能性は、もう一つの(2)とくらべて本質的にありそうもない、と考えられる。なぜなら、これは