ある制度が良いのか悪いのかというのはなかなか難しく、簡単には判断を下せないケースが多いのです。例えば、選挙制度は小選挙区制がいいのか比例代表制がいいのか、日本型の雇用制度が良いのか悪いのか、といったことは一概には判断を下せないと思っています。 そんな中でも、個人的に明確に「悪い制度だ」と考えているのが、外国人の技能実習制度と、本書のテーマである非正規公務員の問題を含む地方公務員の人事をめぐる制度で、特に後者は新卒に重い価値を日本の就職市場のあり方や、男女の格差の問題の解決にもつながっていく非常に重要な問題だと思っています。 本書は、そんな非正規公務員の問題を扱った本であり、2012年に出版された同じ著者による『非正規公務員』の問題意識を受け継ぐ本です(未読ですが2015年に『非正規公務員の現在』という本が出版されている)。 非正規公務員の低待遇と不安定な身分を告発するとともに、この問題を改