東京や関西に次いで能楽が盛んな名古屋で、大学の部活やサークルが能や狂言を上演する「学生能」の活動が衰退している。部員の減少が大きな要因で、活動休止に追い込まれている大学もあり、学生や地元の能楽師らは危機感をつのらせている。(堀井聡子) 東海地方の大学が加盟している「名古屋学生能楽連盟」(名能連)。八月に名古屋能楽堂で開かれた発表会には、名古屋大の観世会と宝生会、愛知県立大、愛知教育大、椙山女学園大、名東高校の六団体が出演した。ただ番組に並ぶのは、能の一場面だけを面や装束を着けないはかま姿で一人で舞う「仕舞」や「舞囃子(まいばやし)」ばかり。一曲丸々の上演はない。今回から名古屋市立大と岐阜大の...