中国の海洋戦略への米国の関心はますます高くなった。中でも尖閣諸島の日本の領有に対する中国の挑戦に、米側の警戒が集中するようになった。日中両国の本格的な軍事衝突をもたらし得る危険な発火点として、米側の専門家たちの懸念の視線が尖閣諸島に絞られるのだ。 だがそんな中で、元米国海軍のアジア戦略の権威が、中国が尖閣に軍事攻撃をかけてきても、米国は中国との戦闘に踏み切るべきではないという意見を公式な場で述べて、注視を集めた。尖閣諸島は日米安保条約の対象範囲になると明言するオバマ政権の立場を大きく後退させる政策提言だった。尖閣の防衛はあくまで日本が責任を持て、と言うのである。 いま東アジアで最も危険なのは尖閣諸島問題 米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は4月4日、「東シナ海と南シナ海での中国の海洋紛争」と題する公聴会を開いた。中国が東シナ海や南シナ海で領有権をいかに拡大し、主張の衝突する他