日立金属は、リチウムイオン二次電池(LIB)向けに、コバルト含有量を同社従来品より約8割減らしても高容量化と長寿命化を両立できる正極材技術を開発した。ニッケルを増やすと寿命低下が懸念されてきたが、独自の組織制御により結晶構造の劣化を抑制。約8割が一般的だったニッケル含有量を約9割に高めても寿命の維持を確認した。コバルトの使用低減で温室効果ガス(GHG)の排出量削減につながるという。 リチウムイオン二次電池は電気自動車(EV)向け需要が伸びており、一層の高容量化と長寿命化が求められている。電池の製造工程における環境負荷の低減も急務となっている。 同社は粉末冶金技術を駆使した今回の技術により、水溶性を持たない各種物質でも原材料に使えるよう選択肢拡大のめどを付けた。 コバルトは正極材に必要不可欠とされているが、これを由来とするGHG排出量が多く、その削減が電池・正極メーカーなどにおける課題だった
豊橋技術科学大学の蒲生浩忠大学院生と松田厚範教授らは、硫化物系固体電解質の量産技術を開発した。高極性溶媒分子で多硫化リチウムを安定して溶かす。すると24時間の反応が2分に短縮した。全固体電池の電解質生産コストを大幅に下げる可能性がある。 アセトニトリルとテトラヒドロフランの混合溶媒に極性の高いエタノールを微量に加え、原料の硫黄を過剰に加える。するとリチウムイオンがエタノール分子に包まれ、硫黄種のラジカルアニオンが安定化する。 このラジカルアニオンが五硫化二リンと反応して硫化物系電解質の前駆体が生成する。溶液中で反応が進むため効率が高く、反応時間が2分に短縮した。 硫化物系固体電解質のイオン導電率は1センチメートル当たり1・2ミリジーメンス。従来法は同0・8ミリジーメンスや1・0ミリジーメンスだった。不溶性の中間体を経由して合成していたため反応が遅かった。
京都大学のイーサン・シバニア教授とチン・デタオ特定研究員、伊藤真陽特定助教らは、最小孔径100ナノメートル(ナノは10億分の1)の微細流体デバイスを写真を現像するように大面積製造する技術を開発した。光硬化性樹脂に干渉縞光を当てて多層流路を作製する。層の間隔を10ナノメートル刻みで調整可能。実際に3ナノメートルのインスリン分子と15ナノメートルのウイルス殻たんぱく質を流路で分離できた。バイオセンサーなどへの応用を目指す。 光架橋剤に干渉縞光を当てて樹脂を硬化させ、微細流路を形成する。干渉縞光の照射時間で流路の壁の固さを調整し、流路を膨潤させて孔径を制御する。流路の高さが90ナノメートルと210ナノメートルの二分岐流路を作りインスリンなどを流すと、浸透速度の違いで3ナノメートルの分子と15ナノメートルの分子を分けられた。 従来は微細流路を成形してフィルムを貼り合わせるなどの工程が複数あった。新
日産自動車との取引が多い部品メーカー6社の2023年3月期の業績は堅調に推移しそうだ。22年3月期は河西工業とファルテックの2社が減収だったものの、23年3月期は全社が増収を計画。このうち5社は2ケタ増を見込む。営業損益も全社が増益または黒字化を予想する。 主な要因は主要取引先である日産の販売回復だ。日産をはじめとする完成車メーカーの増産基調が、各社のトップライン(売上高)を引き上げる。完成車メーカーの電気自動車(EV)シフトを見据え、23年3月期以降、研究開発や人材育成への投資も積み増す方針だ。 「新型車の投入や足元の半導体不足の解消を受け、販売台数は伸びると予想する」。日産の内田誠社長は23年3月期の世界販売台数の見通しをこう説明する。中国・上海のロックダウン(都市封鎖)やウクライナ情勢などのリスク要因があるものの、販売台数は22年3月期比で3・2%増え、400万台を回復するとみる。
核融合科学研究所(核融合研)は5月19日、プラズマ中に発生する乱流によってプラズマ自体の温度が下がってしまう問題に対し、核融合研所有の超伝導コイルを用いた世界最大級の実験装置「大型ヘリカル装置」(LHD)において、プラズマ中で熱が逃げていく際に、時速5000kmの熱の伝搬速度よりも8倍速く移動していく乱流を発見したと発表した。 同成果は、核融合研の釼持尚輝助教、同・居田克巳教授、同・徳澤季彦准教授、米・ウィスコンシン大学のダニエル・J・デン・ハートッグ教授らの国際共同研究チームによるもの。詳細は、英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された。 核融合発電を地上で実現するためには、1億度以上のプラズマを磁場で長時間安定して閉じ込め続けることが必要とされているが、磁場で閉じ込めた高温のプラズマ中に、大小さまざまな大きさの渦を伴った流れである「乱流」が発生し、プラズ
災害時に落ち着いて行動するには「水、ライト、ラジオ」 「災害に備えて何か用意するものはある?」と聞かれたら、私は、「水、ライト、ラジオ」の3点をまず答えます。 理由は、 「清潔できれいな飲料水がないと脱水症状で倒れる」 「光がないと精神的に不安定になる」 「正確な情報がないとデマに流される」 からです。災害時に落ち着いて行動するために、まずはこの3点を準備しておきましょう。 また、もし水害から逃げ遅れて屋根などに避難する場合、なるべく明るい服を着て、できれば水分、懐中電灯、ラジオに加えて毛布を用意しましょう。水分は脱水を防ぐため、ライトは夜間の発見率を上げるため、ラジオは最新の情報を得るため、毛布は低体温症から身を守るために必要です。 「身体を温めることが第一優先」を覚えてほしい 次に、被災時に生き延びるために、「3分・3時間・3日・3週間」を覚えておいてください。これは、「空気・体温・水
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