太陽系の中で、表面を液体が流れている天体は、地球のほか、土星最大の衛星であるタイタンしかない。ただ、地球の川や湖が液体の水なのに対して、タイタンの表面を流れているのは液体のメタンだ。 【画像】探査機カッシーニが撮影した、タイタンにある湖 数十億年前に水の湖があった証拠が多数見つかっている火星を加えると、惑星地質学者が古代の川を調べるべき場所は3つになる。 今月10日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に論文を発表した米マサチューセッツ工科大学(MIT)などのチームは、米航空宇宙局(NASA)の支援を受け、火星とタイタンの画像を使って地球以外における古代河川の状態を測定する新たな技法を開発した。 ■タイタンの液体 研究は、タイタンでの液体メタンの挙動に関する強い興味から始まった。タイタンの化学的性質は「地球が錯乱したようなもの」とも表現されるが、その大気は地球に似て窒素が主体(ただし大気圧は地