昨年11月にドバイで発表された「レ・キャビノティエ- レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録)」のひとつ、「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン - アールデコ様式への賛辞 -」。 かつてスイスの時計工房では、採光に恵まれた屋根裏部屋(キャビネット)で時計師や細工職人が精密な作業に勤しんだ。ヴァシュロン・コンスタンタンが毎年発表する「レ・キャビノティエ」のコレクション名はこれに由来する。それは270年近いメゾンの歴史と伝統にふさわしい、過去と未来をつなぐ現在地に他ならない。今回発表された新作9本でも特に注目したのがアールデコをモチーフにした逸品だ。 6時位置に据えたトゥールビヨンから放射状に剣型のパターンが伸びる。バーインデックスにはバケットカットダイヤモンドをあしらい、外縁のミニッツトラックも天頂に向けて幅を変えることでキャリッジの回転が放つ力強さを演出している。 20世