存在と無〈1〉現象学的存在論の試み (ちくま学芸文庫) 作者: ジャン=ポールサルトル,Jean‐Paul Sartre,松浪信三郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/11/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 56回この商品を含むブログ (55件) を見るきのうも書いたサルトルの「人格」という語についてだが、『存在と無』をさらに読み返していくと、次のような文が出てきた。 前にも書いた、「純粋な反省」と「不純な反省」の区別というところで、対自である意識は、その不安定さを克服しようとして自身を「反省」するのだが、「純粋な反省」においては自分自身を対象化することができず、不安定な状態にとどまる(したがって、未来(理想)と外部に対する「不断の投企」が要請される)のに対して、「不純な反省」では、その元来対象化できないはずの自分(意識)自身を対象のように見なすことで、幻影的な安定