原子力 50 年・テレビは何を伝えてきたか アーカイブスを利用した内容分析 メディア研究部 七沢 潔 要 約 1957 年アメリカから日本に導入された実験用原子炉が初臨界を迎えてから 50 年がたつ。その4年 前放送を開始したテレビが原子力についてこれまで何を伝えてきたかを検証するため,NHK アーカ イブスに残るコンテンツ(ニュースと番組)を分析した。 のべ2万 2,000 件を年代やキーワードによる検索を使って解析して視聴すると,原子力導入当初の 1950 年代,60 年代は社会を啓蒙したり原子力がもたらす経済発展への期待を反映したコンテンツが 多いが,1970 年代になると全国に原子力発電所が建設され環境汚染への不安や原発建設反対運動を 報じるニュースが目立ち始める。一方,同じ 70 年代には科学的事実にこだわり取材と検証を重ねる 科学技術番組の手法が開発され,原子力事業者が情報