*作業者の吸入摂取の場合における単位摂取量あたりの50年間預託実効線量(参考:ICRP Publication 68) 表2-2に示すように,プルトニウムは他の放射性核種に比べ,実効線量係数が高いことが確認できたと思います。この理由は二つあり,一つはα線を放出する放射性核種(α放射体)であること,もう一つは長期間に及び体内に残留するためです。α線は表皮で遮へいされてしまうために,皮膚に付着していたとしても被ばく上は問題となりませんが,体内に取り込まれると,放射線感受性の高い皮下組織や臓器にα線が直接達します。さらに,α線の放射線荷重係数はβ線やγ線に比べて20倍も高い値となります。また,プルトニウムは,骨や肝臓に数十年にわたって留まることが知られており,なかなか排泄されにくい性質を有しています。これらの理由により,プルトニウムは最も放射線毒性の高い核種の一つとなっています。 体内に取り込ま
原子力防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲。原子力施設に起因する放射性物質または放射線の異常放出が発生した場合、緊急に講ずべき対策として、周辺住民等の屋内退避や、避難等放射線被ばくを低減するための必要な措置をとるための判断のめやすとなる原子力施設からの範囲(距離)をいう。原子力施設の種類ごとに、EPZの目安が与えられている。
第 10 章 体内汚染の診断と治療 ○一般目標 体内汚染時の診断と治療の概要を理解する ○行動目標 ①体内汚染時の被ばく医療に関する放射線学的基礎知識を習得する ③体内汚染時の診断に必要な基礎知識を習得する ④体内汚染時の治療の概要を理解する 緊 急 被 ば く ②体内汚染時の線量評価の概要を理解する 医 療 RE M ne t −詳細版− 第 10 章 体内汚染の診断と治療 1.体内汚染 −詳細版− 放射性物質による体内汚染は、主に吸入による気道、消化管および傷口を介して起こ ります。体内に入った放射性核種は安定元素と同じ体内動態を示すことから、核種に応 じた体内除染が必要となります。一方、放射性核種には核種特有の物理学的半減期と、 での時間)があり、その両者を考慮したのが実効半減期です。すなわち、同じエネルギー の同質の放射線を出す物質の場合、物理学
体内汚染の診断は、体内からの放射性物質もしくは放射線の検出により行います。そのため、口角スワブ・鼻腔スメア(拭い取ったもの)や傷口からの分泌物等に汚染が認められれば、体内汚染を示唆する有力な証拠であり、同時に核種の同定や線量評価にも利用されます。また、便・尿・嘔吐物等の排泄物を計測・測定することも重要です。 なお、口や鼻腔周囲の体表面汚染や傷口汚染があれば、原則として体内汚染を疑います。 このページのトップへ 1) 体内汚染時の問診 一般的な問診(核医学の診断・治療の有無を含めて既往歴・現病歴)を行うことは、いうまでもありません。体内汚染があることが判明している場合およびその疑いがある場合には、本人もしくは随行してきた放射線管理要員等に対し、次のような項目について問診を行い、できる限り情報を得るように努めます。これらの情報から、体内動態や除染方法が明らかになることがあります。 汚染の原因と
放射性核種が体内に沈着した患者さん(傷病者)の処置は、吸収線量と将来の生物学的影響の低減化を図ります。これには2つの方法、 吸収と内部沈着の低減 吸収した核種の除去と排泄の促進 があり、いずれも被ばく後できる限り早い時期に開始する方が効果は大きくなります。 一般に治療の効果は、放射性核種が循環系に入っていない場合に最も高くなります。また、細胞内に取り込まれる(incorporation)前に行う必要があります。安定同位元素による希釈または阻害は、放射性核種の排泄率を高め、組織に沈着する放射性核種の量を低減します。放射性核種が既に標的組織または細胞に吸収されている場合、排泄促進効果は少なくなります。体内汚染の治療に際して最も留意する点は、 放射性核種に対する適切な薬剤の選択 被ばく後のタイミングのよい投与 です。また、放射性核種が酸、フッ素(六フッ化ウラン-UF6等)、水銀、鉛等との化合物で
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