【記者:Joe Shute】 暖かい日差しが感じられる午後、ドイツ北東部デミンの住民たちは、町を流れる3本の川へ向かう。ペーネ川のほとりでは、釣り人がきらめく川面に釣り糸を垂れている。 これといった特徴のないのどかな風景だが、ここはドイツ史上最多となる集団自殺が行われた場所だ。1945年4月30日~5月3日、若者も年配者も、金持ちも貧乏人も関係なく数百の家族がこの川に入水したのだった。 この町は、疫病のようにドイツ全土にまん延した集団自殺の中心地だ。ナチス・ドイツの弱体化に伴い、全国で数万人が自殺を選んだ。デミンには当時、数千人の避難者を含め1万5000人ほどが住んでいたが、このうち推定1000人が自殺したとされている。 ナチス高官らの自殺については記録が残っている。アドルフ・ヒトラーはソ連軍がデミンに侵攻した4月30日、総統地下壕でシアン化合物のカプセルを飲んだ後、新妻エバ・ブラウンとと
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