6月14 山本章子『日米地位協定』(中公新書) 7点 カテゴリ:政治・経済7点 なかなか解決の道筋が見えてこない沖縄の基地問題ですが、沖縄の基地問題には、沖縄に在日米軍基地の多くが集中しており、米軍や基地に所属する米兵の起こす事故や事件があるという問題とともに、そうした事件や事故が超法規的に処理されてしまう問題があります。 例えば、本書の冒頭で紹介されている2004年の沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事件は、大学に軍用ヘリが墜落するという事故のインパクトとともに、事故現場を米軍が封鎖し警察すらも立ち入らせなかったということが、沖縄の基地問題のもう一つの側面を伝えるものとなりました。 こうした超法規的な措置を可能にしているのが日米地位協定です。本書は、その歴史を紐解きながら、国際比較などを通じて「なぜ1960年の安保改定以来、この日米地位協定の改定がなされなかったのか?」という理由を探ってい