「無茶ぶり」エッセイ、今月のお題は「不文律」。水越伸先生は、教室の中にある不文律をたたき壊して、その先に「メディア・リテラシー」の意味を展望する。 再びブームを迎えたメディア・リテラシー メディア・リテラシーがしばらくぶりに流行りつつある。 メディア・リテラシーとは、メディアを介したコミュニケーションを意識的にとらえ、批判的に吟味し、自律的に展開する営みや、そのための術や素養のことである。 リテラシーとは文字の読み書き能力、識字力のこと。メディアを文字のようなものとして、比喩的に言い表した概念なので、メディア・リテラシーはよく「メディアの読み書き能力」と言われる。 かつては、青少年がテレビや新聞の中身を鵜呑みにせずに批判的に読み解くための能力のようなことを意味していたが、今では老若男女、あらゆる人々が本からSNSにいたるさまざまなメディアを批判的にとらえ、自律的に関わり、能動的に表現するた