「孤独」の歴史をひもとく フェイ・バウンド・アルバーティ『私たちはいつから「孤独」になったのか』神崎朗子訳 序文(抜粋)公開 またどうして孤独(ロンリネス)について? この本を執筆していることを人に話すと、まずそう訊かれた。もちろん、全員ではない。そんなことを訊くのは孤独な日々を過ごしたことのない人や、暗闇のなか孤独感に苛まれたことのない人だ。ところが1年もしないうちに、孤独はさほどめずらしい話題ではなくなった――いつの間にか、孤独が至るところに存在するようになっていたのだ。新聞でも取り上げられ、ラジオ番組でも話題にのぼった。孤独は全国的に蔓延し、イギリス政府には孤独担当大臣 1 まで設置された。こうして21世紀の初めに、私たちは「孤独のエピデミック」の真っ只中にいることに気がついた。 同時に、孤独に対する不安が、孤独をいっそう避けがたいものにしていた。孤独についての会話は伝染病のごとく広
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