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ブックマーク / brevis.exblog.jp (53)

  • 早期着手かジャストインタイムか | タイム・コンサルタントの日誌から

    期日を決めた督促には、副作用がある。それが『学生シンドローム』と呼ばれる現象である、と前回書いた。学生シンドロームとは、期日ぎりぎりになるまでタスク(アクティビティ)に着手しないで放っておきがちになる、人間の性(さが)みたいな事象である。 もう一つ、人間には悲しい性がある。それは、怒られるのが恐いためにサバを読みがち、という傾向である(・・どうでもいいが、この「性(さが)」って言葉をくりかえし使っていると、なんだか昼のメロドラマの解説みたいになってくるな)。 期日を約束しても、それを守れないと、相手に(そしてたぶん上司にも)怒られる。怒られたら、うれしくない。今度の査定に響くかもしれない。だったら遅れなければいいだろ!、というのは上司の側の論理である。現実にはいろいろな割り込みやトラブルや掛けもち仕事があるじゃないですか。だったら、10日で終わりそうな仕事でも、「20日かかります」とサバを

    早期着手かジャストインタイムか | タイム・コンサルタントの日誌から
    junkcollector
    junkcollector 2009/11/23
    早く続きが読みたい件について…
  • 工場計画論(2) グローバル展開のゆくえ | タイム・コンサルタントの日誌から

    電車にゆられながら吊り広告を見ていると、宣伝というのはつくづく一般消費者の欲望を刺激することで成り立っているものだな、と感じる。あれは素敵だ、これは面白そう、こんな心配はありませんか? こんな夢はどうでしょう--そういう風に、広告はできている。だから、その気になって広告をよく観察すると、“普通の人々”が何に対して欲望を感じているのかが、逆に分かってくる。 欧米などに比べると、日の電車は際だって広告の量が多い。最近は電車の外側まで広告で塗りたくっている。まさに『欲望という名前の電車』が街中を走っているわけだ。その車内広告の中でも、くりかえしくりかえし登場するのが、英会話教室のPRだろう。それだけ、「英会話ができるようになったらカッコいい」と望んでいる人が多いわけだ。まあ、パリの郊外電車の中でも英会話教室の広告を見かけたことがあるから、あそこの国の人だって内心は“英語がしゃべれたらカッコいい

    工場計画論(2) グローバル展開のゆくえ | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 理系でもなく文系でもない | タイム・コンサルタントの日誌から

    落語に、「紺屋高尾」という人情噺がある。吉原の高尾太夫の絵姿に一目惚れした紺屋の職人・久蔵は、太夫を一目見たい逢いたいと、死にものぐるいに3年間働いて給金を貯める。太夫といえば大名豪商しか相手にしない超エリートだから、大金を積まねば会うことなどかなわない。ようやく3年後、給金全額を懐に、知り合いで通人の医師に手引きされ、念願かなうべし、と吉原三浦屋にいく。労働階級など相手にされぬ格式ゆえ、野田の醤油問屋の若旦那といつわるのだ。しかし、手の指を見せればすぐに紺屋の職人だと知れてしまう。そこで久蔵はずっと懐手にしていなければならないのだが・・ 士農工商の江戸時代では、「工」に従事する職人の社会的地位は低い。しかし、商品経済にはこの逆順で近いわけで、実際には職人の収入はそこそこのものだった。私が聴いた噺では、久蔵は3年間必死に働いたあとで、親方に自分の給金がいくらたまったかをたずねる。すると親方

    理系でもなく文系でもない | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 経営工学には何ができるか | タイム・コンサルタントの日誌から

    3ヶ月ほど前のことだが、元・東大総長で、現在は三菱総合研究所理事長の小宮山宏先生にお会いした。私が編集委員としてかかわってきた経営工学会の一般誌「経営システム」のインタビューが目的である。テーマは「日のR&Dを考える」で、文字通り日の研究開発の現状と、あるべき姿について、1時間ほどお話しをうかがった(「経営システム」2009年8月号に掲載したので、興味のある方はご覧ください)。 ところで、インタビューの席に着くなり、まず小宮山先生の方から「経営工学ってのは、研究開発のマネジメントなんかより、まず日のマネジメントをどうすべきかを考えた方がいいんじゃないの?」といきなり言われた。年金記録の改ざんの泥沼や、酩酊状態で記者会見の席に現れた大臣やらのあれこれで、皆がうんざりしていたのは事実だろう。このまんまじゃマズイな、そう思う人が増えるのも無理はない。 経営工学とは何をする学問か、私はそこで

    経営工学には何ができるか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • パンのみに生きるにあらず | タイム・コンサルタントの日誌から

    1996年の夏。私は中東で、ある会社の役員会議室に座っていた。私の隣にはCAP Gemini Americaの上級コンサルタント。そして目の前には米国人とアラブ人の役員たちが、豪華な会議テーブルを囲むように並んでいる。 会議の議題は、「この会社のKPI=Key Performance Indicesとは何か」だった。会議は隣にいる米国人コンサルタントがリードしていく。私と彼は、この会社にERPパッケージSAP R/3を導入するプロジェクトを請け負っており、要求分析をやっていた。すでに日常業務の分析はすんで、今や、役員から見たソフトの必要機能を定義する段階に来ていた。 SAP R/3は財務諸表をリアルタイムに見せることができる能力が売りだ。しかし経営の舵取りには、財務諸表の数字だけでは不十分なことは明らかである。では、いったいどの数字に着目し、どの尺度を用いて、会社の方向や速度を計りたいのか

    パンのみに生きるにあらず | タイム・コンサルタントの日誌から
    junkcollector
    junkcollector 2009/08/30
    しばしば「自己の安定化と存続が目的」となること自体はやむをえない。しかしトップにその自覚が無いのは悲惨だ。むしろ「従業員を食わせるのが目的」と言い切ることができればそれはそれで多いに役立つはずなのだ。
  • マネジメントと管理はどこが違うか | タイム・コンサルタントの日誌から

    ゴールドラットの小説「ザ・ゴール」といえば、全世界で300万部を売ったベストセラーで、TOC(制約理論)のバイブルのようなである。「ラブストーリーの形をした生産管理の教科書」という、この奇妙なは、日でも2001年に翻訳が出て以来、ロングセラーを続けている。 ところで、このストーリーの中に、工場のコントローラーという人が出てくる。これは日ではあまり見かけぬ、なじみのない職種だ。翻訳すれば「工場管理者」になってしまうが、和訳ではどうなっているのだろうか。ちなみに、主人公のアレックスはPlant Managerであり、これも直訳すれば「工場管理者」だが、実際には「工場長」である。 つまり、米国の企業では一つの工場に二種類の管理者がいることになる。ということは、二種類の別々の管理の仕組みが存在する--そういうことだろうか? もちろん違う。小説を読めば分かるが、工場長は一応コントローラーの

    マネジメントと管理はどこが違うか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 「良いデザイン」の工数は見積ることができるか | タイム・コンサルタントの日誌から

    目の前に広げられたのは、30数枚に及ぶスケッチの紙だった。我々の顧客が打合せを終えて帰った後で、そのグラフィック・デザイナーの人が見せてくれたのだ。CI(コーポレート・アイデンティティ)の世界では、かなり名前を知られた人である。彼が顧客に見せたのは、3つのデザイン案だけだったはずだ。ダイナミックでポップなもの、端正で清潔なもの、柔らかで明るいものの3つで、ずいぶん違う印象の候補案を用意してくれていたのに感心したばかりだった。でも、その裏側には10倍以上の半製品があったのだ。 その人は、候補の3案に至るまでの案出しとデザイン展開の結果を何枚もめくって見せながら、どのような発想から出発して、どうバリエーションをつくり、それからどう最終成果物に結びつけたのか、素人の私にたいして簡単に説明してくれた。私は完璧に驚いてしまった。ひらめきから生まれるものとばかり思っていたグラフィック・デザインが、じつ

    「良いデザイン」の工数は見積ることができるか | タイム・コンサルタントの日誌から
    junkcollector
    junkcollector 2009/07/12
    非定型だと思われている仕事をこなすプロの多くは、実はそれをこっそり定型タスクに落とし込んでいる。しかしその成果こそが利益の源泉なので当然誰にも教えないし、世間からも創造的だと思われ続けるのだ。
  • 目標、計画、ターゲット | タイム・コンサルタントの日誌から

    先日、機会があって東大工学部の学生たちにプロジェクト・マネジメントの講義をした。わずか2コマ・計3時間の講義でどれだけのことを伝えられたかは定かではないが、アンケートを見る限り、少なくとも「マネジメントには技術テクノロジー)があり、理工学的なアプローチが可能である」という事実は、興味を持って理解してくれたようだ。WBSだとかクリティカル・パスだとか、ごく初歩的なことがらを演習してみて、それを強く感じたらしい。 このことは、あの大学に経営工学や管理工学といった理系のマネジメント学科が存在しないことを思い合わせると、とくに貴重なことのように思われる。東大の理工系を卒業する人は、マネジメントについて何も教わらぬまま社会に出て、人に指示を出す職業に就いてしまう可能性が高いからだ。日のいろいろな組織が、確とした指針も方法論もないまま、リーダー層のセンスや勘や経験だけで動かされることになる一因かも

    目標、計画、ターゲット | タイム・コンサルタントの日誌から
    junkcollector
    junkcollector 2009/06/03
    教育の問題以前に、多くの組織では「組織とそれに関わる個人の現状を維持すること」が隠れた目的であり、それに対応する目標は「表面的にはきちんとビジネスをしているかのようにカムフラージュすること」である。
  • マネジメント、はじめの一歩 | タイム・コンサルタントの日誌から

    半年ぶりに、また大先輩のR先生とお会いした。ある会合で一緒になった後、マネジメント論などを話しながらしばらく帰り道を同行させていただいた。 --R先生。結局、マネジメントって何なんでしょう。 「いきなりずいぶん短兵急な質問だな。どうした、会社でも首になりそうなのか。」 --いや、その点は今のところ、たぶんまだ大丈夫だと思いますが・・。この間、会社で若手に『生産管理入門』の講義をやったんです。その時に出た質問がずっと頭に引っかかっていまして。 「マネジメントとは何か、とでも聞かれたのかい。それでうろたえるとは君らしくないな。ぜんぜん講義になってないじゃないか。」 --そうじゃないんです。マネジメントとはPlan-Do-Seeのサイクルを回すことで、生産管理という仕事は、生産システムについてそれを行うことだ、と説明しました。あ、『生産システム』というのは、工場の人や機械やからなる生産の「仕組み

    マネジメント、はじめの一歩 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロジェクト・コミュニケーションに必要な3つの能力 | タイム・コンサルタントの日誌から

    一般にプロジェクト・マネージャーの働く時間の4割は、コミュニケーションに使われている、としばしばいわれる。いや5割以上だ、との説もあり、私の実感はこちらに近い。とにかく、プロジェクト・マネジメントというのは、朝から晩までかなりの時間を、何らかのコミュニケーションに費やしている。メールを読み、メールに答え、社内で打合せし、顧客や発注先と会い、会ったらその結果を打合せメモにしてまた発信する。そのかたわら上司の質問に答え、会社に報告書を出して、というわけで、朝から晩までずっとコミュニケーションに追われている感じである。 「プロマネ」という社内肩書きはついていないが、個別受注生産の設計部門や、あるいは品種の多い製造業の開発部門・生産技術部門の技術者なども、おそらく似た事情だと思われる。エンジニアと名乗って仕事はしているが、自分で計算したり図面を書いたりする時間はちょっぴりで、大半の時間を顧客や社内

    プロジェクト・コミュニケーションに必要な3つの能力 | タイム・コンサルタントの日誌から
    junkcollector
    junkcollector 2009/03/03
    『コミュニケーションとは、日本語でのイメージと違い、英語では一方通行的な概念である』 / 『英語の概念では、コミュニケーションは基本的に発信者側に伝達の責任がある』
  • お見積りは無料です | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近、電車に乗っていると、ときどき壁面上部の広告欄に空きスペースを見かけるようになった。さすがに、つり革広告はまだフルに使われているようだが、少しずつ車内広告の量が減少しているらしい。テレビ局や雑誌社も広告収入の減少で青息吐息の状態だ。 情報というものが無料で手に入る、と広く信じられるようになったのは、20世紀後半のことかもしれない。それまでは、だろうが新聞だろうが、一応の対価を払って手に入れていた。それが、ラジオが普及し、さらにテレビが後を追って、受信料を取るNHKをのぞく民放はすべて無料で番組を提供する時代になった。これは広告という新しい産業のおかげである。私は子供の頃、テレビが家にきたのをかろうじて覚えている世代に属するが、おそらく40代以下の人たちは、生まれたときから家にTVがあって、無償でさまざまな情報が送られてくるのを、空気を呼吸するのと同じ感覚で受け止めているにちがいない。

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  • RFPとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    Requst for Proposal=提案依頼書。調達における引合いプロセスの主要な書類で、主に受注生産品の見積依頼のために、発注者がサプライヤー候補に配信する。見積依頼書(Request for Quotation=RFQ)ともいう。調達において複数のサプライヤー候補から一社を決める際に、透明かつ公正なプロセスとなっていることを保証するために必要となる。 調達のプロセスは一般に、自分が購入したいものの種類と特性によって異なる。たとえば、 ●マテリアル(モノ)を買うのか、サービスを買うのか ●購入相手のサプライヤーは一社のみか、複数社あって決まっていないのか ●直接資材(製造に用いる資材)を買うのか、間接材やオフィスサプライ品を買うのか ●特定の用途に紐付いたモノを買うのか(「都度手配品」ないし「引当品」などとよばれる)、特定の用途が決まっていないストック在庫用に買うのか(「在庫品」「常

    RFPとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 採算をとる、とはどういうことか | タイム・コンサルタントの日誌から

    画期的な発明をした。自動車に取り付けると周囲の車の距離と速度を測定し、安全な方向と速度を割り出して自動運転してくれる制御装置だ。カーナビと組み合わせれば、運転中に熟睡していても目的地に到達できるだろう。ドライブと睡眠不足解消を同時に楽しめる。ぜひ商品化して製造したい。ヒットすれば億万長者も夢ではあるまい。 かんじんの製品価格だが、1台20万円というところでどうだろうか。必要な原材料・部品代は、ちょっと見積もってみたら10万円程度で済みそうだ。ただし、この製品を作る製造装置だが、どう考えても100万円くらいかかる。まあ貯金をはたけば無理して買えない金額でもないと思う。置き場所はとりあえず車庫にしよう。文字通りガレージ・カンパニーの誕生である。 さて、意気込んで事業をはじめたが、世界初の商品というものは、なかなか売るのが簡単ではない。知り合いの売込み先3人に断られ、4人目のトラック会社社長にコ

    採算をとる、とはどういうことか | タイム・コンサルタントの日誌から