麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男氏現実との乖離埋められず昭和21年2月3日、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーは部下に対し「天皇制存続」「戦争放棄」「封建制廃止」の三原則を記した指針を示し、これに沿った憲法草案を作成するよう命じた。「戦争放棄」については「紛争解決の手段」のみならず「自国の安全保持の手段」としての戦争も放棄し、自国の安全を「世界を動かしつつある崇高な理念にゆだねる」とした。9日間で「マッカーサー草案」が速成され、2月13日に日本政府に手交された。天皇制安泰を願うなら、この案を吞(の)む他ないと迫られたという(「戦後日本外交史」有斐閣)。 前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」の一文が入り、9条第2項には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」という「軛(くびき)」がはめられた。
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