【日本の解き方】日銀がサプライズ利上げ決定 防衛増税と並ぶ誤った政策だ 「失われた２０年」の再来になる（1/2ページ）
日銀は２０日の金融政策決定会合で、長期金利の上限を従来の０・２５％程度から０・５％程度に引き上げることを決めた。事実上の利上げとなる。これを受けて株式市場は急落し、急速な円高が進んだ。 決定会合前の１７日には、岸田文雄政権が、日銀との共同声明を改定する方針を固めたと報じられていた。報道の中に、「日銀は２％の物価上昇目標に縛られて身動きできず、急激な円安と歴史的な物価高を誘発するなど、このところ、金利を極めて低い水準に抑え込む大規模な金融緩和の弊害が目立っている」という趣旨の文がある。ここに共同声明を改訂したい側の思惑が透けて見える。日銀の利上げはこうした動きを先取りしたものとみられる。 円安は金融緩和の効果であるが、国内総生産（ＧＤＰ）を伸ばすので日本経済には好都合だ。実際、法人企業統計で、経常利益が過去最高を記録している。円安で一部の業界が苦しくなるのは事実だが、政府が円安による最大の利
【日本の解き方】「防衛増税」と日銀「金融引き締め」巻き返すチャンスはあるのか 政治力を発揮していたはず…大きすぎる安倍元首相の不在（1/2ページ）
防衛費強化の財源として岸田文雄首相は、法人税や所得税、たばこ税の増税開始時期を来年に決定すると述べた。一方、日銀は金融緩和政策を修正した。岸田政権の財政緊縮と金融引き締めの方針が明確になった。 岸田首相は防衛増税の自民党内の議論について、反対が多い政務調査会でなく、税務調査会に委ねた。この手続きそのものに問題なしとはいえない。 １３日の税制小委員会での政府資料では、《歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金（仮称）の創設に必要な法制上の措置については、次期通常国会に提出予定の財源確保に係る法案に規定》と書かれている。１４日の政府資料でも同じ表現だ。 １６日には、自民・公明両党が２０２３年度税制改正大綱をまとめた。その中で《防衛力強化に係る財源確保のための税制措置》として、法人税、所得税、たばこ税の引き上げが具体的に書かれている。ただし、施行時期は、２４年度以降の適切な時
中国・北朝鮮〝連携〟で軍事的威嚇か 台湾周辺を飛行 韓国領空を侵犯、首都ソウル上空に侵入も 専門家「米軍見据えた陽動作戦の可能性」（1/2ページ）
習近平国家主席率いる中国と、金正恩（キム・ジョンウン）総書記の北朝鮮が２６日、異例の軍事的威嚇を強行した。中国軍機７１機が同日早朝まで台湾周辺で活動し、うち４７機が台湾のＡＤＩＺ（防空識別圏）に一時進入した。北朝鮮の無人機計５機も同日午前、韓国の領空を侵犯し、一部は首都ソウル上空に侵入した。中国と北朝鮮が連携した可能性もありそうだ。 台湾の国防部（国防省に相当）によると、台湾のＡＤＩＺに進入した中国軍機４７機の多くは台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」中間線を越え、台湾側を飛行したという。一歩間違えれば、戦争になりかねない危険な行動といえる。 台湾・中央通信社の運営する日本語サイト「フォーカス台湾」は２６日、飛来した中国軍機について、戦闘機「殲１６」１８機、「殲１１」１２機、「殲１０」６機、「スホイ３０」６機、軍事用ドローン「彩虹４号」１機、対潜哨戒機「運８」１機などと報じた。ナンシー・ペロシ米
韓国野党トップ捜査で対立深化 元大統領恩赦は尹政権浮揚につながるか
【ソウル＝桜井紀雄】韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は２７日、巨額収賄事件で実刑が確定した李明博（イ・ミョンバク）元大統領や文在寅（ムン・ジェイン）前大統領の元最側近の特別赦免（恩赦に相当）を決めた。国民統合や融和を演出し、求心力を高める狙いとみられる。ただ、大統領選当時の対立候補で最大野党トップに対する捜査などを巡って政界や世論の対立が深まっており、国政運営を安定軌道に乗せられるかは見通せない状況だ。 「今回の赦免を通じて国力を一つに結集していく契機になることを願う」 尹氏は恩赦を決めた２７日の閣議でこう強調した。韓東勲（ハン・ドンフン）法相も記者会見で恩赦の意義を「社会対立の解消」にあると説明した。
【風を読む】防衛増税は遅滞なく 論説副委員長・長谷川秀行
令和５年度の税制改正大綱を手に会見に臨む自民党の宮沢洋一税制調査会長と公明党の西田実仁税制調査会長（左）＝１６日午後、国会内（矢島康弘撮影）負担増が求められる政策課題で必ず出るのが「経済に悪影響を及ぼす」という指摘である。政策効果を打ち消すほどダメージが大きいなら元も子もないので、その点の吟味はもちろん欠かせない。 先の税制改正で決まった法人税などの防衛増税を巡っては、財界から賃上げ機運に水を差しかねないという懸念の声が相次いだ。ただし、こうした物言いにはどこか引っかかるものがある。 これまで経済界は法人税減税などで多大な恩恵を受けてきたからだ。記録的な利益をあげた企業もたくさんある。ところが利益の多くは内部留保に回り、力強い賃上げや投資につながらなかった。
来年の日本経済は人手不足が最大の課題に
ＪＲ東京駅前の通勤風景＝東京都千代田区（川口良介撮影）新型コロナウイルス禍で落ち込んだ雇用環境の改善を受け、「人手不足」が来年の日本経済で最大の課題になる可能性がある。今年の企業を苦しめた〝３重苦〟のうち円安や物価高は頭打ちの兆しがあるものの、経済活動の再開に伴い人手不足は今後一段と悪化するからだ。適切な政策対応がなければ景気回復の足かせとなるのは避けられない。 １１月の求人倍率１・３５倍で横ばい、失業率２・５％に改善 「人手不足、物価高による買い控え、とどめに電気代の大幅値上げで、冬を前に赤字になった。どんな取り組みをしても、もはや経営は無理だ」（東北のコンビニエンスストア経営者） 内閣府が今月発表した１１月の景気ウオッチャー調査では悲痛な声が相次いだ。
杉田総務政務官が辞表提出 過去の表現に波紋
松本剛明総務相は２７日、総務省内で記者団の取材に応じ、過去の差別的発言が問題視された杉田水脈総務政務官が辞表を提出したと明らかにした。 杉田氏は提出後、省内で記者団に「先の国会で私の過去の発言や拙い表現に厳しい指摘があり、重く受け止めた」と述べ、「（来年の通常国会に向け）内閣の一員として迷惑をかけられないと思い、辞表を提出した」と説明した。 一方、杉田氏は「支援してくださる方々はいっぱいおり、代弁者としてしっかり頑張りたい」と強調し、議員辞職は否定した。 杉田氏は平成２８年、自身が出席した会議の参加者に対し「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」などとブログに投稿。今年１２月２日の参院予算委員会で性的少数者やアイヌを巡る過去の表現について謝罪、撤回していた。
ガーシー議員に事情聴取要請 動画で名誉毀損容疑 警視庁
オンラインで記者会見するＮＨＫ党のガーシー（本名・東谷義和）参院議員＝７月１０日午後、東京都港区（松井英幸撮影） インターネットの動画投稿サイトで著名人を中傷した疑いがあるとして、警視庁が、ＮＨＫ党のガーシー（本名・東谷義和）参院議員に対して任意の事情聴取を要請したことが２７日、捜査関係者への取材で分かった。ガーシー氏はアラブ首長国連邦のドバイに滞在しており、７月の参院選当選後も帰国せず、一度も国会に登院していない。 ガーシー氏は、芸能人らの裏話を動画投稿する「暴露系ユーチューバー」として知られる。捜査関係者によると、ガーシー氏が投稿した動画により、脅されたり誹謗（ひぼう）中傷を受けたりしたとして、著名人側が警視庁に脅迫や名誉毀損（きそん）容疑の告訴状を提出し、受理されたという。
２０２２回顧・日本 社会の安全と安心が揺らいだ
【読売新聞】 元首相が白昼、凶弾に倒れ、観光地では惨事が起きた。経済も先行きの不透明感が増している。当たり前のように思ってきた安全と安心が揺らいだ１年だった。 読売新聞の読者が選んだ今年の「日本１０大ニュース」の１位は、「安倍元首相
【主張】秋葉復興相の更迭 信頼に足る政治の確立を
岸田文雄首相は、政治資金を巡る問題が明らかになった秋葉賢也復興相を事実上、更迭する意向を固めた。 秋葉氏は先の臨時国会で自らの疑惑を説明してきたが、国民の理解を得られたとはいえず、更迭は当然である。秋葉氏は辞任後も説明責任を果たす必要がある。 世界平和統一家庭連合（旧統一教会）との関係を巡り、山際大志郎前経済再生担当相が辞任したのは１０月２４日である。この２カ月余りの間に４人もの閣僚が相次ぎ辞任するのは異常事態だ。首相は任命責任を改めて重く受け止めねばならない。 秋葉氏を年内に更迭することで、年明けの通常国会を円滑に乗り切りたい構えのようだが、すでに臨時国会で秋葉氏は野党から厳しい追及を受け、国会審議に大きな影響を与えていた。 首相の判断はまたも後手に回ったと言わざるを得ない。復興行政に与える影響も考慮すれば、もっと早く更迭すべきだった。 秋葉氏に関しては、公設秘書が昨年１０月の衆院選で、
【主張】中国コロナ急拡大 習政権は情報隠蔽やめよ
中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。 中国の習近平政権が７日、ロックダウン（都市封鎖）と厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策から大幅な緩和に方針転換した後、感染者と死者が急増しているとみられる。 こうした事態に陥った中で、中国国家衛生健康委員会が２５日、新型コロナの感染者数と死者数の公表を中止した。今後は下部組織の中国疾病予防コントロールセンターが「参考と研究のため」に情報提供するが、中国全土の２４日の新規感染者数は２９４０人で死者はいなかったとした。 一方、中国・浙江省の省政府は、１日当たりの省内の新規感染者は１００万人を突破し、近く迎えるピーク時には２００万人に達するとの見通しを示した。これでは中国政府の発表を信じることはとてもできない。 感染症のパンデミック（世界的大流行）の際に重要なのは、感染者や死者の数を把握し、正直に公表することだ。それなしに、当該国も世界各国、国
【産経抄】１２月２７日
日本は「子どもの楽園」だった。残念ながら現在ではなく、明治前期までの近代化以前の日本である。昨日訃報が届いた近代史家、渡辺京二さんの『逝きし世の面影』で知った。 ▼子供たちは道路の真ん中で独楽（こま）を回したり、羽根つきをしたり遊びに没頭していた。大人は邪魔しないように回り道する。放任されているわけでもなく、小さいときから礼儀作法を仕込まれる。渡辺さんは、幕末維新のころに日本を訪れた外国人の膨大な記録を読み解き、彼らの目に映った古き良き時代の日本人の姿を描きだした。 ▼江戸時代を賛美するのが目的ではない。近代化によって日本人が失われたものを実感することにより、現代文明が抱える問題の本質をあぶり出した。だからこそ平成１０年に刊行されて以来、ロングセラーを続けてきた。
精神疾患で休職の教員が過去最多 働き方改革停滞、コロナ禍…取り巻く悪環境
２６日に公表された文部科学省の人事行政状況調査で、令和３年度に精神疾患で休職した公立学校教員が過去最多となったことが判明した。過度な残業が現場を追い詰めているほか、新型コロナウイルス禍で教員同士の関係が変化したことも原因とされる。専門家は「意識的にストレス解消の時間を設けることが必要だ」と指摘する。 多くの教員が「過労死ライン」超え文部科学省が今年４～７月に行った別の調査では、平均残業時間が「月４５時間超、８０時間以下」の教員は小学校３２・５％、中学校４０・０％、高校２６・３％。過労死ラインとされる「月８０時間超」は小学校４・４％、中学校１３・７％、高校１０・３％と、多くの教員が過度な残業を強いられる。
揺らぐ岸田政権の土台、安倍氏死去が政局を一変 ２０２２年政治回顧㊤
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【法廷から】遺体や傷口の写真…「刺激証拠」巡り法廷で攻防 裁判員制度の難しさ浮き彫り
国民から選ばれた裁判員が裁判官とともに審理に参加する裁判員裁判が始まって１３年。当初から課題とされたのが、遺体や傷口の写真といった「刺激証拠」の扱いだ。心理的負担を軽減するため、写真をイラストに置き換える手法が一般的になる一方、精確な審理のために「証拠をそのまま見て判断してもらうべきだ」との意見も根強い。成人年齢引き下げに伴い、来年から１８歳で裁判員になるケースも想定される中、現場では今も模索が続いている。 あえて請求も…「被害者の損傷状況を知るには、ベストエビデンス（最良の証拠）だ」
北朝鮮の資金源は「暗号資産」、核実験は超大型弾頭次第 元北外交官の韓国議員インタビュー
日本の報道各社とのインタビューに応じた北朝鮮の元駐英公使で韓国の国会議員の太永浩氏＝１２日、ソウル市の韓国国会内北朝鮮の駐英公使だった２０１６年に韓国に亡命し、現在、韓国与党の国会議員を務める太永浩（テ・ヨンホ）氏（６０）が２６日までに、ソウルで産経新聞などのインタビューに応じた。弾道ミサイルの発射を続ける北朝鮮の資金源がサイバー攻撃で窃取した暗号資産や兵器の密輸だと指摘した。また、北朝鮮が７回目の核実験を行うタイミングについて、超大型核弾頭の開発が影響するとの見通しを明らかにした。 国をあげてハッカーを養成太氏は「北朝鮮は国をあげてハッカーを養成している」と述べ、ハッキングで盗んだ暗号資産が資金源になっているとの見方を示した。中東などへの兵器・軍事技術の移転や麻薬などの不法取引に加え、中国からの経済援助も有力な資金源だと指摘。「最近、習近平国家主席と金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党総
【政治デスクノート】少子化対策、高額教育費を素通り 支援は「入口」偏重
記者会見で子育て支援策などを説明する岸田文雄首相＝１２月１０日午後、首相官邸（矢島康弘撮影）急激に進む少子化対策として、岸田文雄政権は子供政策を最重点課題と位置づけ、関連予算の倍増を目指している。来年度予算案にも複数の支援策が並んだが、３人の子の親として首をかしげるのは、新たな施策が出産前や幼少期など、子育ての「入口」に偏っている点だ。今や子供の８割以上が大学や専門学校など高等教育機関に進学する時代。１人当たり１千万円以上ともいわれる教育費は、若い世代にとっても高い壁にみえるはずだ。 「長男の大学は私立理系だったから、４年間の学費だけでも７００万円以上かかったよ」 息子の通う小学校のパパ友仲間との飲み会で、私はある父親が漏らした言葉に内心凍り付いた。
韓国軍、北朝鮮の無人機に１００発以上を射撃 領空侵犯で撃墜作戦、偵察機展開も
【ソウル＝時吉達也】韓国軍は２６日、同日午前１０時２５分ごろ、北朝鮮の無人機５機が南北の軍事境界線を越え、韓国の領空を侵犯したと明らかにした。韓国軍は撃墜作戦を展開したほか、対抗措置として境界線周辺や北朝鮮側地域で有人・無人の偵察機を展開した。 北朝鮮無人機による韓国領空の侵犯が確認されるのは２０１７年６月以来。韓国軍は「北朝鮮の挑発に対し、今後も徹底的かつ断固として対応する」との声明を発表した。 発表によると、無人機は全長約２メートルの小型機で、５機のうち１機は首都圏北部まで侵入。韓国空軍は無人機に対し１００発以上の射撃を実施した。出動した軽攻撃機１機が小学校から約５０メートルの畑に墜落したが、人的被害などはなかった。 無人機対応に伴い、首都圏の金浦（キムポ）、仁川（インチョン）両空港では最大約１時間、旅客機の離陸が中断された。 １７年の前回侵犯時は、米軍の高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ
自民党政治と決別しないと「無限大に都合の良い増税をされる」理由／倉山満 | 日刊SPA!
12月10日に自身のSNSで岸田首相が突如示した増税方針に関し反旗を翻した高市早苗氏。辞表を叩きつけるかと思われたが…… 写真／時事通信社 突然、「防衛増税」が降って湧いた。ただでさえ中露北など周辺諸国の脅威があるのに、ウクライナ事変の勃発。隣国の核兵器を持つ仮想敵が残虐な侵攻を行っている。防衛力増強の必要性は、火を見るより明らかだ。 戦力外通告状態の自衛隊に、防衛費倍増、GDP2％でも足りないくらいだ。ここまでは誰でも理解できよう。問題は財源だ。今どき、民需を犠牲にして軍需に賭けるなど、どこの国がやるか。北朝鮮の「先軍政治」ではあるまいし。中国は、「ズボンを履けなくても核武装するぞ」と有言実行した毛沢東の思想と決別、経済力をつけて軍事力に回している。富国強兵が常識なのだ。 そもそも、財源など、いくらでもある。政府のアドバイザーと称するヤブ医者どもに言われるままに積み上げたコロナ予算は、1
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台湾、自衛力強化へ兵役延長 ４カ月から１年に
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特定秘密の漏洩 安全保障への悪影響が心配だ