自民党憲法改正実現本部役員・タスクフォース委員会議であいさつする岸田文雄首相=4月、東京都千代田区(萩原悠久人撮影)岸田文雄首相が衆院解散を決めあぐねていた今月半ば、自民党安倍派が憲法改正に関する提言をまとめたというニュースが目を引いた。最近は派閥主導でエッジの効いた政策提言がなされること自体が少ないだけに異彩を放った。改憲を政治日程に載せていた安倍晋三元首相の遺志を継ぎ、改正論議に改めて一石を投じる思いがこめられているが、そのポイントは「戦力不保持」を定める現行9条2項の削除にあった。 自民党の改正方針は、9条1項(戦争放棄)と2項(戦力不保持、交戦権の否認)については維持したまま、自衛隊を明記しようというもので、安倍政権時代の平成30年に決まった。提言を一見すると、当時の安倍首相の考えとは異なるので、違和感を抱く向きもあろう。だが、この問題は「なぜ9条改正が必要なのか」という改憲の核心
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