フィリピンのドゥテルテ前大統領と、マルコス大統領の確執が顕在化している。マルコス氏が目指す憲法改正を巡って怒りを爆発させたドゥテルテ氏は、マルコス氏を「麻薬中毒者」と呼んで批判を加えた。マルコス氏はドゥテルテ前政権の親中姿勢を転換して日米接近を推進し、11日には初の日米比首脳会談が控える。両者の関係悪化は今後のフィリピン外交に影響を及ぼす可能性がある。 マルコス氏に警告、父同様「追い出される」「私たちは麻薬中毒者を大統領にしている。あのクソ野郎め」。ドゥテルテ氏は1月の集会で、暴言で知られた大統領時代さながらの調子でマルコス氏を罵倒した。 ドゥテルテ氏が怒り心頭に発しているのは、マルコス氏が目指す憲法改正を巡ってだ。マルコス氏は憲法に盛り込まれている外資規制の撤廃を目指している。ドゥテルテ氏は、マルコス氏が1期6年と規定されている大統領任期を同時に変更し、長期間権力を握り続けると警戒してい