東京にある鯨料理の老舗「くじら屋」 。店内は鯨肉を揚げる油の匂いで満ちている。その日、オランダのハーグから届いた受け入れ難い知らせを、常連客たちは料理とともに飲みくだした。店には怒りにも似た空気がいつまでも漂っていた。 国際司法裁判所は3月31日 、日本が南極海で行っている「科学的研究のための捕鯨」を認めないとの判決を下した。運転資金の一部がこのような高級料理店に鯨肉を販売することで調達されていることから、日本の捕鯨を批判する者たちは「科学を装った商業捕鯨」と見なしている。 今回、国際司法裁はこうした訴えを認め、数少ない日本の鯨肉ファンを驚かせた。判事16人中の12人が、原告であるオーストラリア政府の主張を支持。その根拠は「日本が南極海で年間1000頭もの鯨を捕獲する科学上の理由はない」というものだ。同裁判所は、10年間の調査を通じて作成された報告書が2件だけだったことを指摘し、商業捕鯨を