8月10日に開催する第5回研究講座「「“電子書籍元年”の中間総括-印刷業界の視点」への解題。電子出版では生産・流通・販売のいずれでも日本的特殊性が問題となるが、筆者は出版物の生産に印刷業が大きな役割を果たしていることが、長期的にみて最も重要な要因だと考えている。そこでまず、印刷業がE-Book出版の成長性と付加価値にどのように関わるかを考えてみたい。 E-Bookにおいて出版社は必要なのか!? 今回は、本Forumの対論シリーズでご協力いただいた中西秀彦をゲストにお呼びして、印刷業の視点からE-Bookを考えてみたいと考えております。中西さんのブログで「我、電子書籍への抵抗勢力たらん」と宣言しておられたのに仰天して以来のお付き合いですが、「出版社は必要なのか」という問いは強烈で、私はまだ確たる答えを持っていません。 「『編集』機能が低下すればするほど、また『編集』が疲弊すればするほど、印刷