昨年始まった本連載も、今回でいよいよ最終回となる。これまで本連載では、ニコニコ動画やTwitterといったウェブサービスを例に挙げながら、「歴史」を支える情報基盤がはたして今後どのように変容していくのかについて、拙いながらも思考実験的な論考を重ねてきた。最終回となる今回は、これまでの連載のモチーフを振り返りながら、リアルタイム化が進む情報環境下での〈歴史〉のあり方について思考をめぐらしてみたい。 Twitterに見られる「時間的局所性」 これまで本連載が一貫して注意をはらってきたのは、ニコニコ動画にしてもTwitterにしても、近年の情報環境においては「リアルタイム化」が急速に進んでいるということだった。ありていにいえば、そこでは誰もが「ストック」よりも「フロー」の情報に多くの認知的リソースを割り当てるようになり、「過去」よりも「現在」こそがますます重視されるようになる。 そのことを端的に