いま、大手家電メーカーの業績不振が叫ばれています。ジャパン・アズ・ナンバーワンを牽引してきた、これらの企業のピンチは、われわれに大きなショックを与えています。日本のメーカーは、このままで大丈夫なのか、もはや回復の見込みがないのか。そのヒントは、新しい作り手たち<メイカー>の中に隠されているのかもしれません。 ベストセラー『ロングテール』、『フリー』の著者でもあるUS版『WIRED』の編集長、クリス・アンダーソンは、新著『MAKERS』で、日本の大手家電メーカーと新しい作り手たち<メイカーズ>の印象的なエピソードを綴っています。 「二〇一二年四月一二日、ソニーはいつものように鳴りもの入りで、新製品のスマートウォッチをアメリカにおいて一五〇ドルで発売すると発表した。ブルートゥースで携帯電話とつながり、ショートメール、電子メール、ソーシャルメディアの更新ができる、なかなかそそられるガジェットだ。