●ドゥルーズの『意味の論理学』はドゥルーズの本のなかでも特に好きなのだけど、この本の第21のセリー「できごとについて」では、ジョー・ブスケという、第一次大戦で負った傷によって半身不随となった詩人について書かれている。ここではブスケの負った傷こそが「純粋なできごと」とされている。ブスケは書く、《私の傷は私よりも前に存在した。私はそれを具体化させるために生まれた》。ある人物が戦争に行って傷を受けるのではなく、「傷」という普遍的な「できごと」があって、それがある人物のもとで顕在化される、と。さらにブスケは書く。《君の不幸によって人間になれ。その感性と輝きを具体化することを学べ。》つづけてドゥルーズは書く。《われわれに起こることにふさわしい者になること、したがって、われわれに起こることからできごとを望み、引き出し、それ自身のできごとの子となり、それによって再生し、生まれ変わり、肉から生まれた身と絶