なぜ愉快のルビは「ユクワイ」なのか…100年前、出版社の校閲部員が大激論していた「字音仮名遣い」と「痛恨のミス」 実は意外と少ない出版社の校閲部 出版社には、編集部が入稿した原稿と印刷所から出校されたゲラ(校正刷り)を引き比べ、表現、言葉の誤りや疑問を指摘する「校閲」という仕事があります。 石原さとみさん主演で2016年に放送されたドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(NTV系)が人気となったことによって、多くの人に校閲の存在が知られるようになりました。出版業界は少人数の会社が多いため、自前の校閲部を抱える社はそれほど多くありません。しかし講談社創業者の野間清治は、早くから校閲の重要性を唱えていました。 講談社校閲部(発足時の名称は校正部)の正式な発足は大正13(1924)年9月23日。そう、今年で100年目を迎えるのです。現在、校閲部は社員だけで53名、契約スタッフを含めるとおよ