東京電力福島第1原発で高濃度の放射能汚染水が保管されている一部のタンクエリア内で、放射性物質を外部に出さないために設置したせきの水位が大雨によって上昇し、あふれる恐れがあるとして、東電は16日、排水を行ったと発表した。東電はセシウム濃度を測らず排水しており、汚染水への懸念が高まる中、批判を招く可能性もある。 東電は今回の対応について、急激な水位上昇を受けた「緊急措置」と説明しているが、台風18号による大雨は事前に予想されていた。 東電によると、今回排水したのは300トンの汚染水が漏れたエリアの南側で、これまで高い線量は確認されていない。エリア内にたまっていた水を調べたところ、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質濃度は1リットル当たり8ベクレルだったという。 東電はこの結果を基に、エリア内での汚染水漏れはないと判断。ガンマ線を出すセシウムの濃度も十分低いと予想できるとして、測定