コメの「減反を廃止する」というニュースが先週、大きく報じられた。 家計や消費者にしてみれば、この政策がコメの価格低下につながるなら結構な話である。 だが、肝心の農業関係者に話を聞くと、マスコミは「政策の大転換」と伝えているにもかかわらず「コメの価格は下がる場合も上がる場合もある」というのだ。これはいったい、どうしたわけか。 単純な原理から確認しよう。 供給↑で需要↓なら価格↓はコメも同じのはずなのだが ある生産物の供給が増えて需要が減れば、価格は下がる。これはコメも同じだ。 減反とはコメの生産量を減らす政策であるはずだから、減反を廃止すれば、ヤル気のある農家が元気になって生産量は減らず、むしろ増える可能性がある。需要は趨勢的に減っているのだから、価格は間違いなく下がるはずだ。 そこで今回の政策をみると、どうなっているか。 まず、国が毎年の生産目標を決めて都道府県に配分していた生産調整を5年