2012 年 8 月 8 日 アスペルガー症候群の被告人に対する大阪地裁の判決についての声明 一般社団法人 日本発達障害ネットワーク 理事長 市川 宏伸 大阪地方裁判所において、アスペルガー症候群と精神鑑定された被告の殺人事件で、検察官の求刑を 超える懲役 20 年の判決が言い渡されました。この判決文を読むと、被告人は十分な反省をしておらず、 アスペルガー症候群に対応できる受け皿が何ら用意されておらず、その見込みもないという状況のもと では再犯のおそれが強く心配されるので、許される限り長期間刑務所に収容することで内省を深めさせ る必要があり、そうすることが社会秩序の維持に資するとして、有期懲役刑の上限である懲役 20 年に至 ったとされています。この判決は、アスペルガー症候群をはじめとする発達障害者に対する差別及び、 刑罰という点で大きな問題を抱えており、到底許されるものではありません。