『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』を読んだ。本書は日本軍の失敗をもとに、日本の組織分析がされており、経営者が読めば会社経営に参考になる点も多いだろう。日本軍という組織が存在していたのは70年前のことだが、今の日本組織と変わらないところが多いと思ったのが読後の一番の感想だった。 そこで、今回は日本軍の失敗から、失敗する可能性のある企業の特徴を考えていきたいと思う。 目的が曖昧 目的が曖昧だと、組織を正しい方向に向けるのは難しい。日本軍も目的が曖昧になってしまったために、失敗した作戦は多くある。 例の一つがミッドウェー海戦だ。その作戦目的は次のようになっている。 ミッドウェー島を攻略し、ハワイ方面よりする我が本土に対する敵の機動作戦を封止するとともに、攻略時出現することあるべき敵艦隊を撃滅するにあり。 前者はミッドウェー島攻略、後者は米艦隊撃滅を目的としている。一つの作戦で二つの大きな目的を