上間陽子氏(琉球大教授) 居酒屋談義の無責任な誰かの発言ではなく、一国の大臣の発言とは耳を疑う。沖縄の歴史を知らなすぎる。沖縄で未婚の出生率が高い歴史的背景には、沖縄は米国の占領地だった時期があり、バースコントロール(産児制限)が効かない中で子どもを産むことが形成されていったことがある。日本で避妊方法の教育がなされていたとき、沖縄ではそれができなかった。第一義的責任は国にある。 沖縄が大きなひずみの中に落とされていた歴史を、彼は知らなすぎる。また、母子世帯になれば貧困に陥るのは、単に国策の破綻だ。そこを修復しようとせずに「母子家庭での子育ては大変だから、母子家庭にはなるな」という話は、国の責任放棄だろう。 単身でも貧困に陥らず、子どもを育てることができるという環境、社会をつくることが国の責任で、最も重要なことであるのに、そこに全く触れていない。 確かに、若年出産で経済的に困難な状況に陥る事
「絶望をこちらで引き取ることができれば、次の世代はまた違う形で生きていく」 上間陽子『海をあげる』インタビュー 聞き手:小山内園子(翻訳家) 1990年代から未成年の少女たちの支援・調査に携わってきた上間陽子が、2016年夏、うるま市の元海兵隊員・軍属による殺人事件をきっかけに、沖縄の性暴力について聞き取り調査に参加した女性たちの承諾のもとに書いた『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(太田出版、2017)は、出版界のみならず社会学の観点から、また福祉や教育の現場からなど大きな反響を呼んだ。そこから3年、2020年10月に上間初のエッセイとなる『海をあげる』(筑摩書房)が刊行された。普天間に住み、100dbの騒音の中で家族と食事を作り、日々の生活を送りながら、変わらず少女たちの調査や支援を行い、同時に辺野古への基地移転に反対しての座り込みに参加するーー丁寧に紡がれる暮らしや人との関係、そ
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