日本語の崩れた表現がときに批判の対象になることがあるように、英語でも「文法的に正しくない表現」に対しては厳しい視線が注がれることがある。グローバルに活躍する日本のビジネスエリートにとっても、「正しい英語」に関する知識は不可欠といえるだろう。そこで本記事では、英語学と英語教育を専門とする上智大学の池田真教授に、英語の「規範文法」についてわかりやすく解説してもらう。 日本語には「ら抜き言葉」というものがある。「見られる」「来られる」「食べられる」というべきところを、「見れる」「来れる」「食べれる」と短縮する言い方である。テレビ番組で誰かがこの表現を使っても、テロップには「ら」を補った形で表示される。文字として「ら抜き言葉」を表示するのがためらわれるのと、言葉使いにうるさい視聴者からの苦情を避けるためであろう。 「規範文法」は日本語にも英語にもある このように、日常的には使われるが、文法的に正し