さいとう・たまき ─────────── ひきこもり研究の第一人者。専門は思春期・青年期の精神病理、病跡学。1961年、岩手県生まれ。86年、筑波大学医学専門学群(環境生態学)卒業。90年、同大学大学院医学研究科博士課程修了。87年から爽風会佐々木病院(千葉県)に勤務し、現在、診療部長。社団法人青少年健康センターで「実践的ひきこもり対策講座」を主宰。著書に『社会的ひきこもり――終わらない思春期』『「ひきこもり」救出マニュアル』『関係する女 所有する男』ほか多数。 写真 及川智子(千葉県船橋市で。2009年8月28日) 現代社会では、終わらない思春期とともに、社会的ひきこもりが生み出されている。 その存在を世に問うた斎藤環さんは、率先してひきこもりの治療・支援や啓蒙活動に当たってきた。 成熟しない日本人の抱える精神病理にどう立ち向かえばよいのかを問うた。 ――「社会の成熟度と個人の成