皆さんが最後に地元の図書館を利用されたのはいつ頃でしょうか? 私たち(筆者)は、学生時分、大学の図書館は利用していましたが、地元の図書館を最後に利用したのは10年近くも昔のことです。ここ数年は、本を読みたいと思ったら、図書館に行くのではなく、駅前やインターネットの書店で購入するのが常でした。そのようなわけで、筆者にとって、地元の図書館はすっかり縁遠い存在になっていました。 しかし、ここフィンランドでは、図書館の利用率が「世界一」と言われており、市民にとって図書館は非常に身近で重要な役割を果たしているようです。そこで今回は、フィンランドの中でも、先進的な取り組みで注目されるタンペレ市の図書館を取材してきました。 ■ 毎日通いたくなる場所 ヘルシンキから電車に乗って約1時間半。車窓から臨む湖や木々の美しい風景にうっとりとしていると、やがて、近代的な建物郡のタンペレ大学や大きな教会が見えて