■ 「ニューイングランド」と呼ばれる米国北東部六州(メイン,ニューハンプシャー,ヴァーモント,マサチューセッツ,ロードアイランド,コネティカット)の意味は、米国の意味を知ろうとすればするほど、大事なものとして浮かび上がってくる。 この土曜夜から日曜未明に掛けて、ジョージ・F・ケナンの最後の著作『アメリカの家族』を読んでいた。十八世紀初頭、英領殖民地時代の米国に渡ってきたジェームズ・マッケナン(本来はケナンだがスコットランド出自を強調するために、初代ジェームズはこの名前を使っていたとある。ケナンの出自がアイルランド系であるとする論考もあるけれども誤りである)を祖とする「アメリカ人としてのケナン家三代」の足跡を辿った書である。米ソ関係史研究や外交評論の世界で名を残したケナンの最後の著作が、「自分は、米国市民としてどこから来たのか」を確認するものであったのは、米国における「歴史」の意味を暗示して