韓国の国歌は「愛国歌」という。知らない国民はいない。以前は夕方になると企業や公共施設、学校など国旗を掲げているところでは「国旗降下式」があり、ラジオで流れる「愛国歌」に合わせ国旗を降ろした。通行人も国歌が聞こえると国旗に向かって立ち止まり敬意を表した。 当時、韓国を訪れた日本人には実に新鮮で感動的な風景だったが、1990年代に入ってやらなくなった。「民主化」のせいだ。「あんな国民精神総動員みたいなものは軍人政権時代の遺物」というわけだ。 それでも日常の各種行事では冒頭に必ず「国民儀礼」といって国旗への敬礼と国歌斉唱がある。だから国歌は「愛国歌」ということを疑う者はいないのだが最近、親・北朝鮮の左翼政党(統合進歩党)の新人議員が「愛国歌は国歌ではない」といいだし物議をかもしている。 韓国の国家体制より北朝鮮の体制がいいという“従北(北朝鮮に従う)主義”からくる発想だが、これを機に法的に国歌の