総務省は4月に放送法を根拠に「視聴者の信頼を著しく損なうもので、公共放送としての社会的責任に鑑み、誠に遺憾だ」とNHKに対して厳重注意を行いました。その際、NHKは「厳重注意の趣旨が明確でない」として、文書の受け取りを一度拒否し、夜になって受け取るというドタバタがあり、それを覚えている人もいるかもしれません。 厳重注意の根拠は、放送法の「報道は事実をまげないですること。」(第4条第1項3号)と「放送事業者は、放送番組の種別及び放送の対象とする者に応じて放送番組の編集の基準を定め、これに従つて放送番組の編集をしなければならない。」(第5条第1項)との規定だとする。 しかし、これらの条項は、放送事業者が自らを律するための「倫理規範」であり、総務大臣が個々の放送番組の内容に介入する根拠ではない。 放送による表現の自由は憲法第21条によって保障され、放送法は、さらに「放送の不偏不党、真実及び自律を