想定外という言葉――東日本大震災から1か月 2011年4月11日 国道45号線。「三陸道」と呼ばれる仙台と青森を結ぶ一般国道で、東北の太平洋沿岸を走る。日本三景・松島などの観光で私も通ったことがある。その時、この「津波浸水想定区域」の標識には気づかなかった。写真は、水島ゼミ8期生のM君(某テレビ局勤務)が今月上旬に岩手県釜石市や宮古市に入り、メールで送信してくれたものである。 標識には行政の判断で「ここまで」と書いてあるが、津波はその「想定」をはるかに超える高さ、大きさ、深さで迫ってきた。東大地震研究所の調査によると、宮古市田老地区では37.9mまで駆け上がったという(『読売新聞』4月4日付)。宮古市全体で、死者250人、行方不明者1700人を出している。 東日本大震災から1カ月が経過した。重苦しい気分の長い日々だった。死者は1万2915人、行方不明者は1万4921人という途方もない数にな