“日本で唯一”の「クラヤミ食堂」では、誰もが視界を奪われる中でフルコースが供される。期待と不安を抱く筆者を待ち受けていたのは、予想を上回る驚きの連続。驚嘆をもたらしたのは、なんの変哲もない目隠し1つだ。 入店したら即目隠し。おそるおそる歩いてテーブルへ 目隠しして食事を楽しむレストランは今や欧米中にある。発祥はスイスのチューリッヒ。視覚障害者でもある1人の牧師が、視覚障害者の雇用の拡大や理解を目指し、1999年に非営利運営のレストラン、「blindekuh」を開店したのがその始まりだ。次いでドイツやフランスなど欧州、ニューヨークやロサンジェルスなど北米、さらにオーストラリアへと飛び火し、「クラヤミ食堂」が日本に上陸した。 3月21日夜8時。赤坂サカスから10分近く歩き、「クラヤミ食堂」に到着。店のエントランスは、黒い布で仕切られたウェイティングスペースとなっている。布の向こう側からは華やい