1月下旬の自民党外交部会。バイデン新政権の高官が中国・新疆ウイグル自治区で「ジェノサイド(民族大量虐殺)」が起きていると認定したのに対し、外務省の担当者は「認めていない」と一線を引いた。 この答えを引き出したのが自民党の中谷元・元防衛大臣だ。中谷氏は「対中国政策」を考える超党派の議員連盟でも、人権をきっかけに制裁を科せる法律の制定を目指している。中国への強硬路線を主張し行動する中谷氏は、どのような問題意識を抱えているのか。自民党本部を訪れ話を聞いた。
ウイグル族と漢族の対立に端を発した大規模な騒乱から約2週間。新疆ウイグル自治区の区都ウルムチでは厳戒態勢が続いており、事態は長期化の様相を見せている。 昨年はチベットが火を噴いた。55の少数民族が住む中国にとって、民族問題は最も解決が難しい課題だ。経済的に見れば、今回の問題は中でも最も根が深い。中国全土の面積の約6分の1を占める新疆ウイグル自治区は、資源エネルギー戦略の最重要地域として経済構造に組み込まれているからだ。 中央アジアとの窓口 ウルムチで騒乱が勃発する1週間前。胡錦濤・国家主席の後継者候補の1人、李克強副首相は中央アジアのトルクメニスタンを訪れていた。同国のベルドイムハメドフ大統領と会談し、中国最大手の国営石油企業、中国石油天然気集団(CNPC)が進める天然ガス事業の調印式に参加するためだ。 今回の公式訪問で、建設が進められてきた中国へのパイプライン事業に最終的なゴーサインが出
「胡錦濤が主要8カ国(G8)サミット出席を打ち切って帰国するのは、漢族がウイグル族に反撃し始めたからだ」 7月8日正午、中国共産党幹部で外交を担当してきた知人から、こんな携帯メールを受け取った。5日、新疆ウイグル自治区ウルムチでウイグル族による暴動が起きた(「7・5」事件)。7日には、ウイグル族の行動に不満と怒りを爆発させた漢族が反撃に出た(「7・7」事件)。イタリアを訪問中で、G8首脳サミットに出席予定だった胡錦濤国家主席は異例のドタキャンを決断。それはウイグル情勢が「民族対立」の様相を呈したからにほかならない。 ほぼ同時間、ウイグル族の友人から同じく携帯にメールを受け取った。 「国内メディアの報道は信用するな。自分の頭で考えてくれ。当局はラビアの陰謀だと世論を誘導する気だ。この世に純粋な悪魔などいない」 仮想敵を作り、世論を誘導する 180人以上の死者(中国当局統計)を出した「7・5」
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く