国際政治の基調になっている米中対立は、中国が「核心利益」とみなす台湾から新疆ウイグル自治区の人権問題や、「民主か専制か」の「綱引き」まで様々な舞台で展開されてきた。次の舞台として注目されるのは、アメリカが劣勢を強いられている東南アジアだ。バイデン政権が間もなく打ち出す「経済安保の新構想」を軸に、アメリカと中国が火花を散らすだろう。 相次ぐアメリカ閣僚の東南アジア歴訪 バイデン政権は2021年夏から、主要閣僚が東南アジアを歴訪する重点外交を繰り広げた。まずオースティン国防長官は7月、シンガポール、フィリピン、ベトナムを歴訪し、続いてハリス副大統領も8月ベトナム、シンガポールを訪問した。これに対し王毅・中国外相も9月半ば、ベトナム、カンボジア、シンガポールを訪れ「対抗」に出た。11月には、レモンド商務長官がオーストラリアとマレーシアを歴訪した。目的は、環太平洋連携協定(TPP)に代わる、バイデ