今日自分が食べたいもの、飲みたいものが店側に丸裸にされていたとしたら、「いいね」と思うか、「気味が悪い」と感じるか──。ITの活用を加速するファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングスで、こんな挑戦がいよいよ実用段階に入る。同社は14日、デジタル化でビジネス基盤を強化する戦略を発表。目玉は、顧客一人ひとりの嗜好に合わせて最適なメニューを提案する「売る力の強化」だ。IT本部を統括する和田千弘取締役は「外食業界で初めて本格的な『One to Oneマーケティング』を実現する」と意気込む。 すかいらーくは昨年、クーポンを発行したり新メニューを告知したりするスマホ向けの「マルチブランドアプリ」を導入し、現在1700万人が利用する。同社にとってこれは単なる集客ツールではない。利用者の性別、年代、居住地域などを登録してもらい、いつ店に来たか、どんな注文をしたのかなどの履歴を集めている情報イ