激しさを増す米中対立。新たな火種は中国の通信機器・スマートフォン(スマホ)大手の華為技術(ファーウェイ)の副会長兼CFO(最高財務責任者)がカナダ当局に逮捕された一件。米国が制裁を科すイランとの違法取引に関わっていた疑いが持たれている。 ファーウェイといえば、欧州やアフリカなどへも通信機器を輸出し、急成長を果たしてきた中国を代表する民営企業だ。日本でもソフトバンクが携帯電話の基地局で採用していることで知られる。ただ、米国はかねてファーウェイの通信機器を通じて中国が不正に通信を傍受しているとして、同社製品を米国市場から締め出してきた。日本を含む同盟国にもファーウェイ製品を使わないよう要請するなど、「包囲網」作りを急いでいる。 米国が締め付けたいのはファーウェイに限らない。米側は中国が半導体やAI(人工知能)などハイテク分野を中心に、米国から不当に技術を持ち出しているとにらむ。 技術流出問題の